近江牛の魅力
近江牛は400年の歴史をもつ国内最古のブランド牛
近江牛は中山道を江戸へ・・食用和牛の高級品として元禄年間より献上品として、将軍家の食膳をにぎわしたといいます。
江戸の将軍家、御三家に薬用として献上され、明治から現在にいたるまで宮内庁御用達の牛肉として選ばれている、国内最古のブランド牛です。
また江戸時代「反本丸(へんぽんがん)」という “養生薬” として、将軍家や徳川御三家への献上品にもなっていました。
時代が変わっても幾度となく将軍の食膳にのぼったといわれ、肉の効果が長寿をまっとうしたともいわれています。
牛に込める気配りと心、恵まれた環境で作られる良い肥料と、愛牛心、牛に対する情熱によって肉質向上を図り、知恵に磨かれた味が育まれてきました。
知名度の高い和牛の三大ブランド御三家のうち、松阪牛が市場に出たのは大正年間(1912〜1926年)といわれています。神戸牛は江戸末期の横浜開港(1859年)の際に、外国人に向けに船積みしたのが始まりといわれていますので、元禄年間(1688〜1704年)より献上品として寵愛されている近江牛が、三大ブランドのなかでもはるかに老舗です。
近江牛は、滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種で、特許庁に牛肉の地域ブランドとして認められ、地域団体商標(文字商標)として平成19年5月11日に登録されました。
(商標登録 第5044958号)
和牛「ブランド肉」の特徴
日本の在来種をもとにして作られた和牛は、昔から日本中で親しまれてきました。 近江牛をはじめ松阪牛や神戸牛といった代表的なブランド肉は、それぞれの地域や飼育方法から肉の質感や風味などに微妙な違いがあります。 松阪牛は豊富な霜降りと甘みのある脂身。 神戸牛はきめが細かい赤身や脂身と豊かな味わい。 そして近江牛はきめ細かい霜降りとコクのある脂身で、バランスが良く高品質なのが特徴です。
近江牛を高品質にする「水」と「四季」
近江牛の品質に大きく関わっているのが、産地である滋賀の風土です。 琵琶湖を取り囲む豊かな山々、そこに降った雨は地下を通り琵琶湖にそそがれます。滋賀の地下には400以上の源流があるといわれており、この自然から作られた水を取ることで、近江牛は他に真似できない品質の牛肉になります。 また、琵琶湖周辺の四季は牛肉作りにとって最適な飼育環境です。夏は琵琶湖に吹く風が涼しく、冬はほどよく雪が降り積もります。この寒さにより、脂身のしまったお肉になるのです。 滋賀がもつ豊かな自然が、近江牛を良い牛に育てています。
生産者の方と協力してワンランク上の銘柄を作る
万葉では近江牛農家の方々と連携し、近江牛がもつ”本来の味”を守れるよう取り組んでいます。 牛肉は、もともと小豆色であるのをご存知でしょうか? 小豆色の肉には甘みがあり、いい脂もできます。このため見栄えを重視したピンク色ではなく、近江牛本来のおいしさを伝えられる小豆色のお肉を目指す農家さんが増えてきました。 お肉の色を決めるのは、主に餌です。普通に育てるだけでは小豆色にはならないため、昔ながらの餌の配合を再現しています。これは決して簡単なことではありませんが、「ほんまもんを作る」という想いのもと、広がっています。 私たちはこのような農家さんと連携し、世の中に近江牛の本当のおいしさを届けようと考えております。
井伊家より彦根牛肉献上贈呈年表
近江牛のルーツは江戸時代
彦根藩から幕府や諸藩へ「養生肉 (ようじょうにく)」と称して、近江牛の味噌漬けが献上・贈呈されていました。
江戸時代、牛肉生産をただひとつ「公認」されていた藩が彦根藩。 近江地方だけが牛の飼育を許可されていました。
近江地方 古地図
近江牛味噌漬け
先駆をつけた近江商人たち
竹中久次を迎えた旧友の懇親会の記念撮影
ずらりと並んで写真に写るのは、米久に出荷する肉牛を飼育していた現竜王町地域の人びと。
米久 東京浅草店
久次の名前の一字をとって「米久(よねきゅう)」と呼ばれたこの店舗は、もっとも繁盛を極めた時で「イロハ48軒」と称される支店があり、米久の牛肉といえば知らないものがいない、といわれるほど栄えたそうです。
竹中久次
竹中久次は竜王町出身で、江牛の名を広めた人物です。明治20年頃に東京の浅草にすき焼き牛肉店「米久」を開き、ついで、都内一円にイロハ48軒の支店を開きました。
近江肉牛せり市
近江肉牛公開せり市(昭和29年 東京日本橋白木屋の屋上)
滋賀県と近江肉牛協会の主催により行われた近江牛の展示。
近江牛の普及PRのため多彩な催しが東京で開催された。
近江肉牛協会のイベント (昭和29年10月18日)
近江肉認定書
「近江牛」の認証
近江牛のなかでも、次の要件を満たす特に品質が高い近江牛に対して、認定書などを発行します。
「近江牛」のなかでも、特に品質の高い、選りすぐりのものを 認証「近江牛」 としています。
- 枝肉格付がA4、B4等級以上のもの
- 協議会の構成団体の会員が生産したもの
- 滋賀食肉センターまたは東京都立芝浦と畜場で枝肉格付されたもの
認定書および認証シールの発行
認定書見本
認証シール